2023-11-08

Press Release

【Tech Japan Lab導入事例_トラベリエンス様】自社組織と変わらない、グローバルなエンジニアチームづくりを実現




Tech Japanでは、テック領域でグローバル採用に取り組む日本企業のニーズに応えようと、2021年、インドデジタル集団による開発支援サービス「Tech Japan Lab」を立ち上げました。グローバルに活躍するエンジニアの採用が難しくなる中で、インドにいる優秀なエンジニアの時間や稼働を複数社でシェアし、成果を提供する仕組みです。



実際にどんな風にサービスをご利用いただいているのか。今回は株式会社トラベリエンスさんにお話を伺います。株式会社トラベリエンスは、世界中の旅行者とツアーガイドとのマッチングプレイスを提供。2021年から「Tech Japan Lab」を利用いただき、ウェブ上で展開するマッチングサービスのリファクタリングを進めてきました。今回は、代表取締役社長の橋本直明氏と、担当したプロジェクトマネージャーのDeb Kumar Mondalの対談をお届けします。





株式会社トラベリエンス 代表取締役社長 橋本 直明(hashimoto naoaki)


1979年、東京都生まれ。2002年に早稲田大学卒業後、新卒でアクセンチュア株式会社金融サービス本部に入社。主に業務改革プロジェクトに従事。2007年、株式会社リクルート旅行カンパニーに転職し、国内旅行のじゃらん、海外旅行のAB-ROADで営業に従事。2012年4月に退職して世界一周へ。9か月間30か国を旅したのち、2013年1月に帰国。同2月に株式会社トラベリエンスを設立。平成25年度から観光庁 「通訳案内士制度のあり方に関する検討会」委員。





Tech Japan株式会社 Deb Kumar Mondal


1994年インド ドゥルガプル生まれ。インド工科大学ムンバイ機械工学科を卒業し2016年、日本企業へ就職。来日してインターンシップしたことをきっかけに日本の技術に興味を持ち、日印連携の様々な機会があると気づき、現在も課題解決を続ける。大手企業の研究開発エンジニアやマネジメント及び戦略コンサルタントを経て、現在、Tech Japan Hub /Tech Japan Labのプロジェクトマネジメントの責任者として従事。日本とインドの間に立ち、両者のスムーズなコミュニケーションのサポートや、情報提供などを行う。エンジニアリング組織を作っていく中で大切にしていることは、各エンジニアにオーナーシップを理解していただき、ワンチームとして開発をしていくこと。






<長期的に維持できる、グローバルなエンジニア組織を必要としていた


ーはじめに、株式会社トラベリエンスさんの事業内容を教えてください。


橋本 直明氏(以下、橋本):世界中の旅行者と観光ガイドをマッチングする、ツアーマーケットプレイス「GoWithGuide」を運営しています。観光ガイドに旅程を相談し、カスタマイズツアーを作ってもらうことができるサービスです。


お客様の99.9%は外国人ですね。ウェブで世界中の旅行者の方々を集めてくるのは難しく、日本でもあまりやっている会社がありません。私たちは外国人スタッフを採用し、外国人の目線でサービスを作り上げることで、マッチングを生み出し売上を伸ばしてきました。


ーその中で、Tech Japan Labをご利用いただいたきっかけは?


橋本:エンジニア採用が難しくなっている中で、自社だけで組織を作り、維持するのが困難だと感じたことがきっかけです。これまでは直採用でやってきたのですが、自社だけの組織では経営が危機に陥った時、組織を保てなくなる恐れがあります。サービスの根幹を担う開発チームが止まってしまうのは、経営者にとって恐怖。であれば、外部の強いエンジニアチームと契約関係を結ぶことで、長期的に必要な体制を維持したいと考えたのです。


お客様の目線に立つためには、外国人中心のチームが良いと思いました。そこで海外を拠点とする開発会社にご依頼することにしました。


ーTech Japanを選んでいただいた決め手はなんだったのでしょうか。


橋本:会社や人としての信頼感で選びました。複数社から提案をいただき、どの会社さんも外国人エンジニアをたくさん抱えていて予算と体制をプレゼンしてくれたのですが、Tech Japanさんからは圧倒的にクライアントに寄り添う気持ちを感じました。


システム開発は、バグが起きるなど難しい局面が多々あります。サービスが止まってしまうと私たちには大打撃ですので、すぐに直さなければならない。しかし開発会社にとっては直接的な打撃はないので、対応が遅れる場合があります。自社サービスではない分、責任感が欠けてしまうんですね。しかしTech Japanさんは最初に話をした時から、社員と変わりない責任感と、オーナーシップを持って対応してくれる姿勢を感じられました。それは、実際に仕事をする中でも間違っていなかったなと思います。


Deb Kumar Mondal(以下、Deb):私からも、最初に「ワンチームで開発していきたい」とお伝えしました。Tech Japanでは、エンジニアが良い環境で、オーナーシップを持って働くことを大切にしています。ただそれを実現するためには、お客様にもチームのメンバーになっていただく必要があります。橋本さんにはそこをご協力いただけると感じました。1年経ちましたが、その印象は変わっていません。




<内製チームと変わらない仲間意識、モチベーション>


ー実際に、どのようなプロジェクトを進めて来られましたか。


橋本:2014年に作ったサービスのプログラムが古くなってしまっていたので、サービスの挙動は変えずに内部構造を整理するリファクタリングの開発をお願いしました。1年やってみて、自社メンバーと変わらないチーム感と仲間意識を感じています。良い意味で期待を裏切られました。


Deb:ありがとうございます。バグの発生と対応で時間が取られてしまい、どうしても遅れが生じる場合もあります。バグは避けられませんが、担当しているエンジニアはオーナーシップを持って解決に動いてくれています。そのことが一番の成果かなと感じます。


橋本:そうですね、ワンチームになれていると感じます。そこは、プロジェクトマネージャーのDebさんの見えない努力だと思いますね。


ーDebさんは、チームを作る上でどんな工夫をされましたか。


Deb:正直な話、エンジニアはより良い給料を求めて、良いオファーがあればどんどん職場を移っていくのが現状です。その中でどうやって「ここで働きたい」と思ってもらうか。そのためには、良いチームがあることが重要だと考えています。


Labで大事にしているのは、メンバーのパフォーマンスを最大化すること。そのためにマネージャーは上に立つのではなく、一番下からエンジニアを支えるべきだと思っています。エンジニアにこの環境を気に入ってもらえることが一番ですね。実際、今入っているエンジニアは「この会社にフルタイムで入りたい」と言ってくれています。プロダクトに興味を持ってくださって、モチベーション高く開発ができており、どんな問題が起きても逃げ出さない信頼関係ができていると感じます。


それには橋本さんのご協力も大きいと感じます。例えば夜遅くに問題が起きた時、連絡が迷惑になってしまうんじゃないかと懸念すると、仕事の効率は下がってしまいます。今はそのような懸念なく、いつでも声をかけられる環境になっています。ワンチームのメンバーになっていただいていると感じます。


橋本:本来、エンジニア組織のアウトプットを最大化するために、クライアント側も力を使わないといけないと思うんですよ。直採用だったら、エンジニアのモチベーションをヒアリングして、キャリアアップなどのニーズを満たすためのマネジメント工数を使うわけですから。でも今はそこに工数を使っていなくて、お任せしています。むしろ、私自身のオーナーシップが少なくて大丈夫かなと思っているくらいです。少なくとも邪魔はしないように、変な口出しをしたり、コミュニケーションを阻害したりしないように気をつけています。


最近は、エンジニアの方々が言っていることを少しでも聞き取れるようにしようと、インド英語も勉強しています。もちろん通訳はしてもらえるものの、自分自身も直接コミュニケーションが取れるようにしたいので。


私自身も、メンバーのパフォーマンスを最大化するのがマネージャーの仕事だと思っています。だからこそ、Tech Japanさんとは利益が相関する強固な関係を作りたいですし、Debさんにとってもエンジニアの方にとっても、プロジェクトを通してメリットがあるようにしたいんです。


Deb:私自身、さまざまな国で働いてきましたが、メンバーにとって良い環境を作りたいと思ってくれる会社は、インドやアメリカには少ないと思います。そういった環境は一人では作れません。橋本さんはじめ、たくさんのヘルプをいただくことで実現できました。この環境を作れたことにはプライドを持っていますし、今後もつくり続けたいと思っています。トラベリエンスさんの成功はTech Japanの成功だと思って仕事をしています。




<世界一のマーケットプレイスを作るために、今後もワンチームで伴走を>


ーありがとうございます。トラベリエンスさんの今後の展望を教えてください。


橋本:今後は、世界一のマーケットプレイスをつくりたいです。日本の会社から、世界中の誰もが最も使っているウェブサービスを生み出したいですね。今はまだその何十分の一。ここからエンジニア、マーケティング、カスタマーサポートと組織を充実させ、それぞれの分野のプロフェッショナルたちと良いプロダクトを作っていきたいです。


ーTech Japanとはどのようなことに取り組みたいですか。


橋本:Tech Japanさんが間に入っているからこそ、私たちもエンジニアの方も今の働きやすい状態が保たれていると感じます。今後も内製と変わらない思いを持って、良い関係性を継続できることを期待しています。


リファクタリングが終わったら、アプリの開発もしていきたいですね。コロナが収束に向かったあとはエンジニアやマネージャーの増員をお願いし、エンジニアチームの体制をさらに充実させたいと考えています。


また、今後はプロダクトマネジメントの観点も重要になってきます。オーナーとして責任を持って舵取りをするのは私ですが、プロダクトマネジャーは専門性ある知識と経験、適性を持った人がなるべきだと考えています。そういった方も、Tech Japanさんにご紹介いただけたらなと思っています。


Deb:ありがとうございます。アジャイルチームだからこそできる開発を進めているので、人数が増えると弊害もあります。チームを大きくするというより、少人数の独立したチームを複数作って、それを組み合わせて課題解決に取り組めるようにしたいですね。今後もエンジニアが働き続けたいと思える環境づくりに取り組みながら、まずはリファクタリングをしっかりやりきり、一緒に次の課題に向かっていければと思います。


橋本:ありがとうございます。Debさんがいてくれることによって、この1年間、安心感がありました。自分だけだと不安なことも相談に乗ってくれ、寄り添ってくれたことに感謝したいです。別の会社を選んでいたら、去年の不安感をずっと持ち続けていたかもしれません。そう思うと辛いですね…。別の会社に変えようと思ったことは1ミリもなかったので、そう思わせてくれていることがありがたいと感じています。


Deb:こちらこそです。意見を合わせていくのは大変な仕事ですが、このチームはみんながプロダクト自体をよくしたいと思っている。橋本さんやエンジニアの良い想いがあればこそだと感じています。今後もぜひ一緒に良いプロダクトを作っていきたいです。