2024-05-12

Journal

インド工科大学卒業生が活躍している株式会社アジラを取材しました。

2024年2月1日、私たちTech Japanのメンバーは、アジラのCTOである若狭さん、日本法人の研究開発部門に勤務していたNitishさんとHeshamさんとお会いしました。

取材メンバー(Asilla&Tech Japan)

 

 

アジラは、行動認識AIを用いた異常検知システム”AI Security asilla”を開発しており、ベトナムと日本の2カ国にR&D拠点と開発拠点を配置している。多様なバックグラウンドを持つ人材を活用することを重視しており、ベトナムにはソフトウェア開発に携わるエンジニア、日本ではビジネスおよび研究開発に従事する社員が在籍している。 

 

 アジラの強みは、英語話者が働いていることだけではなく、さまざまな国籍や文化・教育背景、研究テーマを持つスペシャリストが協力しプロダクトを作り上げていることにある。各国のスペシャリストを採用し始めた当初からベトナムのエンジニアと日本の研究開発部門との間に生じた言葉の壁など、バックグラウンドの異なる社員の取り込みには多くの挑戦があったが、オープンなコミュニケーションと従来大切にしてきた多様生を受け入れる組織風土により、これらの挑戦を成長と学びの機会に変えてきた。今ではその多様性こそがアジラの強みとなっており、今後日本の多くの企業は同様の挑戦に挑む企業が増えていくだろうと若狭さんは話す。

多国籍メンバーによるMTG
 

Nithishさんはインド工科大学(IIT)を卒業し、東京大学で修士課程を修了。アジラでの勤務歴は3年になる。3年前、アジラとのインタビューの際に、自分の研究との強いつながりを感じ、社会に貢献できることに魅力を感じたと話す。

 また、Heshamさんはエジプトで修士課程を修了、現在は京都大学で博士課程を進めながらアジラで働いている。Nitishさんとは国籍も専門領域もことなるが、Heshamさんもアジラでのインタビューを受けた際に、アジラには他社とは異なる何かがあると感じ、アジラで働きながら自らの研究を進められることに魅力を感じたと話す。人とロボットの関わり合いに着目した研究分野HRI(Human-Robot Interaction)を専門とするHeshamさんは、アジラで働くことにより大学での知見を活かしながらスキルを広げ成長することができていると話す。アジラではスペシャリスト1人1人の自律性を尊重し、型にはまらない考え方や働き方が奨励されている。このような職場環境は個人の成長を加速させ、また働きがいを感じ組織へのエンゲージメントへと繋がる。現在の世の中では生きがいのある仕事を見つけるのは非常に難しい。ただ、NitishさんとHeshamさんの経験を知る事により、世界各国の優秀なエンジニアがアジラで働くことに興味を持っていただけると確信できる。

Nitishさんインタビュー

Hesyamさんインタビュー写真

 
幸いにもアジラの仕事に生きがいを感じ、共に働く仲間とも円滑なコミュニケーションを取ることができる環境が整っている。働きがい、研究開発の機会、生きがい、この3つの重要な要素を1つの会社で叶えることができている事は非常に光栄な事。社内はフレンドリーで民主的な環境であり、社歴や年齢に関わらず、誰とでもフラットにコミュニケーションを取れる環境がアジラの利点である。優秀な学生や研究者の中には、卒業後のキャリアとして研究を続けたいと思う人もいれば、商品開発に携わりたいという人もいる。アジラでは両方の機会が提供されているとても稀な会社であり、社会貢献に興味があるエンジニアにとって、アジラの環境は挑戦的で充実していると2人の研究者は顔をほころばせる。また、研究部門だけでサービスが成り立つ訳ではなく、共にプロダクト開発に関わるベトナムのエンジニアの貢献は欠かせないものだと2人は話す。
2人のインタビューから、アジラは国境を超えた素晴らしいチームを形成できており、アジラの社員は皆、アジラで働く事に対しポジティブな考え方しか持っていないことが良く分かった。

asillaのベトナム開発メンバー

 

 行動認識AIとは難しくて複雑な分野であるため、セキュリティや心理学など様々な分野の高度なスペシャリストが必要とされる。ただ、各領域のスペシャリストを採用するのは容易ではない為、様々な研究機関と共同で研究を進める機会も多い。Nitishさんも東京工業大学にて客員研究員を務めながらアジラに務めている。またアジラでは国際学会での発表機会が頻繁にあり、そこでの発表を通じてネットワークを広げ、フィードバックを得てプロダクトを発展させている。Heshamさんも最近の学会で、AIによるアルツハイマー型認知症の検知の研究者と出会い、彼のテクノロジーが行動認識AIに応用できる可能性を考えた。これら社内・社外に関わらず多くの機会を活用できる環境を整えていることも、アジラで働く社員が働きがいや生きがいを感じるのに一役かっている。

学会での発表

 

 アジラの研究開発は社会のニーズに即したものである事を大切にし、社会の本質的なニーズを捉え、研究による解決策を提供することに日々尽力している。その為、アジラで働く社員は報酬を得る事だけではなく、社会に貢献し、人々の生活を支える活動に取り組むことに喜びを感じているという。

 

 NitishさんとHeshamさんのお話から、研究開発のプロセスは社会のニーズを考慮することから始まることが分かる。そのニーズに対応する解決策を研究し、実現可能性を検討し、計画を立てる。アジラの特徴は、社会貢献への熱意と長期的なビジョンにあると言える。

 

 若狭さんは、5年後のアジラについて、様々な分野の人材を活用し、利益を追求するだけでなく、社会への貢献の幅を広げていきたい。人間とAIはどちらも非常に複雑である為、アルゴリズムを開発するには、両者を十分に理解し、組み合わせる必要がある。研究と社会の繋がりはまだまだ弱いが、それを強化したいと考えている。そのビジョンの実現に向かって日々ビジネスと研究開発をつなぐ取り組みに尽力していると話す。またこのビジョンの実現にむけては、1人1人の社員が自己の成長を日々促進しする事は不可欠であり、組織はその環境を追及しつづけていかなければならないと話す。

 

 ぜひ働きがいや生きがいを持ち自身の研究を社会貢献に活かしたいと考える1人でも多くのスペシャリストの方にアジラを知っていただきたいと願います。

 

※asillaより学生の皆さんへメッセージ(動画)

https://www.dropbox.com/scl/fi/7nhkyo25qiu5a2mwl6sc4/20240403_Video-of-Asiila-s-interview_TJ-FIX.mp4?rlkey=m5orqkx89vq2qk3xw8 mluecix&dl=0